最終更新日 2025年7月24日 by anagra

関井圭一氏から学ぶ人気の中古住宅の現状

日本の住宅は、高度成長期からバブル経済が崩壊するまでは新築住宅が不動産取引の主役であり、昭和40年代後期には築年数24年以上の家屋が全体の30%以下と新築が占める割合が高かったとされています。

しかし、キヨウシステムの関井圭一氏によると、現在では新築住宅の着工件数が100万戸を下回っており、築年数24年以上の家屋が全体の50%近くと中古住宅の割合が高いのが現状です。

背景には、結婚し無い30代〜40代が増加すると共に女性の社会進出に伴い晩婚化が急速に進んだ事に加え、バブル経済崩壊後30年以上にわたり回復しきらない経済に起因する所得水準の低さにあり、資金と子供が無い事によって新築住宅にこだわる家庭が少ない事が中古住宅の取引件数の増加の要因の1つとなっています。

日本国内には、住宅用地の固定資産税が更地の6分の1になる事から空き家が900万戸近く存在し、空き家が様々な社会問題の起因となる事から税制の改正や空き家自体の活用法などを政府だけで無く地方自治体でも考えられているのが現状です。

その為、過疎化が問題視される地域では、移住を条件に空き家の無償提供やリフォーム費用の助成などが行われており、田舎暮らしを応援する物件サイトが数多くあります。

田舎暮らしを始める人達は、空き家の骨組みだけを残すスケルトンリフォームなどの大掛かりなものでは無く、入居当初に生活を継続する最低限のリフォームだけを行い居住しながら徐々に仕上げるのが人気となっています。

大都市圏では、中古住宅を購入する若い世代が増加しているのが現状

大都市圏では、平均年収に対して建築用地の価格が高過ぎる事に加え、不安定な経済状況下で多額の借り入れを行う事への不安や多額の返済による人間らしさを失う生活への嫌悪から中古住宅を購入する若い世代が増加しているのが現状です。

不動産業界では、中古物件の売買と中古物件のリノベーションは2020年までに現状の約5割弱に相当する35,700戸増加すると推測され、特に完全な骨組み状態から給排水管やガス管及び電気配線までリノベーションを行うフルリノベーション物件が増加します。

また、首都圏では2020年の東京オリンピックの開催に起因してタワーマンションの着工件数及び販売個数が大きく伸びている一方で中古マンションの売買契約件数が伸びている事実があり、中古に対する意識が大きく変化しているのが現状です。

特に首都圏では、自家用車を所有していない世帯の割合が全国で最も低い事もあり、前面道路が建築基準法上の道路でない物件や接道2m未満の物件などの再建築不可物件の人気が高くなっています。

再建築不可物件は、袋小路や水路上など1度建物を取り壊してしまうと再び建物の建築も許可が出ない不動産物件であり、同じ地域かつ隣接する不動産物件の数分の1の価格と割安な物件です。

プライムタイムのテレビ番組では、1億円以上の価値がありながらも接道義務を果たしていない事から4000万円程度で販売されていた再建築不可物件を倒産したブランドの孫にして馬鹿タレントが購入し、テレビ局が集めた専門家達と共にリノベーションした事でも知られる様になった不動産物件でもあります。

再建築不可物件は、東京23区内の一般住宅全体の約9%に相当する約25万戸が存在するとされ、流通していなくても足繁く地元の不動産業者を回れば出会える可能性が高い不動産物件です。

再建築不可物件を購入するメリットとデメリット

再建築不可物件は、販売価格が安いので不動産評価価格も必然的に低価格に設定されており、都市計画税や固定資産税も非常に安いメリットがあり、リノベーションやリフォームの費用の捻出がしやすい不動産物件でもあります。

特に再建築不可物件の購入時には、自分の目で判断するのでは無く住宅診断のスペシャリストであるホームインスペクションに耐震性や断熱性などをしっかりと判定してもらい、自分が購入する再建築不可物件の弱点を把握すると共にリノベーションやリフォームの最重要箇所として力を入れるべきです。

中古住宅は、税制上木造住宅の場合には14年で資産価値がなくなるとされ、購入時には更地を探していると不動産屋と交渉する事で販売価格から解体費用を差し引いて貰えたなどの安く購入した話はよく耳にします。

再建築不可物件の最大の問題点は、販売価格は安いものの不動産評価価格も安い事から住宅ローンを組む事が出来ないケースが多く、金利の高いフリーローンや無担保ローンに依存する点が大きなデメリットです。

再建築不可物件は、中古物件の中でも特異な性質を有するものの安く購入出来、20年30年と住み続ける事で周辺の住環境の変化により隣接する住宅の購入チャンスに恵まれる事もあります。

まとめ

隣接する住宅が購入出来た際には、再建築不可物件が正常な不動産物件へと変貌する事により購入時の数倍の価値に跳ね上がり、宝くじ並みの高配当が望める投資物件です。

中古住宅は、現在の流行りに乗って購入する為に探すのでは無く、未来の自分へのご褒美を夢見て再建築不可物件を購入するのも人生を楽しむには良いと思います。